## ゲーミング電柱の姫 **第一章:40分の迷宮** 「はい、せーん。いいよ、いいよ、いいよ。よ、40分ね」 センの声は、いつもよりわずかに高かった。深夜2時。画面の向こうには、数人の視聴者が「こんばんは」と囁き、その中に「怖い人だ」というコメントが混じる。センはそれを見ないふりをして、目の前のゲーム画面に集中した。 『Newt(ニュート)』。それが今夜の配信タイトルだ。昨日は『セージ』で入れたから、今日は少し趣を変えてみた。だが、『Newt』は一筋縄ではいかない。ルールがあんまわかってないです、とセンは独りごちた。画面上のタイマーが「50秒」を表示している。この50秒で、何ができる? 「やば」 センは思わず呟いた。このゲームは、カードを「組み立てる」ことと「解体する」ことが肝らしい。手札には4枚のカード。しかし、「解体って何だろ?買体、ハードを解体していけないよ?」センの疑問は尽きない。説明書は難解な専門用語で埋め尽くされている。「はってのは、山に戻すこと。ポロクナイを打て1個パートを手に入れて対向性自動船に電子監視は移動して組み立てて対向性タイミングで出てくるとか…」 頭が痛くなるようなルールだ。まるで、この部屋のローカルな空気のように、自分との相対距離を測りかねている。 「なんかあんの?なんかおっしゃった?」 チャットがざわつく。センは首を振った。何も言ってない。いや、言ったかもしれない。このゲームは、現実と仮想の境界を曖昧にする。 「わー、すご。すげー。歩き回ったら変わるよ」 誰かのコメント。センは椅子から立ち上がり、部屋の中を数歩歩いてみた。確かに、何かが変わったような気がした。気のせいか? 「さっきのワールドがかかかっ。ニュート、ニュート、ニュートじゃなくな」 ゲームのワールドが歪んでいる。ニュートという名前すら、もはや定かではない。 **第二章:傘とグロいレコメンド** 「はい、まあ一周追加で行こう。あとね偶数だったら忍法から打て。歴数だったらそれに打て。おまえーーー」 センは自分に言い聞かせた。公明なカード?そんなものはあるのか。順番に立っていけば、ずっと行き残る?そんな単純な話ではないだろう。 「あーんうん3個抜けるためのファンメルトンは行きまくれ?」 どこからか湧いてきたキーワード。「これ傘っていうのに?だぞ?じゃほほんとだ。るくしゃほ。いろんな呼び方。うんうんうんうん。なるほどね。選べました」 傘。このゲームには「傘」という要素があるらしい。手札に現れた「傘」のカードをセンは凝視した。105万円以上になって、何もない?ごめんなかったもん。今傘が増えてるの?しなっていません。説明します。 「ふむふむふむ。じゃあ心ほんとデジセン。じゃあ全身。終わりかな。おしまい。そこ10週とろ。セルデンティル、寿司、ポムイバリ。3週両」 まるで呪文だ。ライフで受ける。うんうんうん。出てます。 「ほら。大光竹。でるときに?何かな?出てくれた?大光でパーツを戻して。解体というのはドロゴも解体なのか?」 ゲームの複雑さに、センの思考は迷路に迷い込む。手札が4枚。自信値は今じゃない。これこれを振ります。で、最後。せーと巻いて。中間で。また。ツジンの巻いて。 「でも、抜けない。抜けない。抜けないな。抜きます。下がっちゃったわ。これ、先に下がってから、抗体だな。抜き下げるの大事だ」 ゲームは容赦なくセンを突き放す。ライフで、心置けない。パーツを組み立てる。これが手札に行く。出ます。終了。また、値になっちゃった。集中。手持ち整理する?できる?そういうこと? 「待って。じゃあ、しないでよ」 センは画面に向かって言った。癖で動いてしまう。ターン。終わるときに、傘をかけて。 「これ、傘回しを。崩壊させそう。ほら。終わり。うんうんうん。ここに対応困る。ライフで。うんうんうん。なるほど」 ゲームは傘を要求し、センは傘を回す。その動きは、まるで現実世界に影響を及ぼすかのように、部屋の空気を震わせた。 「ぼーん。集中を上げて。引いて。ほら。ぼーん。集中をかけて。細い。癖で。細い。セーズに。離脱。傘を閉じて。傘回し。戻り。終わり。困る。ライフで。ほら。うんうんうんうん。引っっかけたいっていうのは、何か。困りますんで。うんうんうん。耐久してる?」 いつの間にか、視聴者のコメントはゲームの状況とセンの精神状態を反映するようになっていた。 「最初。戻します。インボ。気まして。手で色が出て。戻り浴。手でします。焼け足。おはよう。見込み日。うんうんうん。手札に戻って。傘をかけて。まーす。これいいじゃない。これだ。これだ。頭回し。なり浴びができしまう。こんな。はい。手はアカスタムバー。中立て。中立て。ボタンをボタンを閉じて。頭回し。後立て。終わり。困ります。ライフで」 ゲームの動きは、センの身体の動きと連動しているようだった。傘を回し、ボタンを閉じ、頭を回す。まるで、ゲームがセンを操っているかのように。 「出ました。怖い人だ。怖い怖い怖い。えー怖い人だ。2人いる。こんばんは。ちょっとこっちヤバい人3人いる。ちょっとリンリがヤバい人3人いる」 チャットが再びざわつく。現実世界の「怖い人」が、画面の向こうからセンの部屋に侵入してくるような感覚。 「なんか変な犬が出るよ。なんか頭に変なのついてる犬出てきて」 画面に、奇妙な犬のキャラクターが現れた。頭に何か、奇妙なものが付いている。センはそれを満足したように見つめた。 「ここは、満足のシーンを飛ばすね。怖いかな。怖いから」 センは、今日の朝、Netflixを契約したことを思い出した。まだパーソナライズしていないのに、グロい作品ばかりレコメンドされる。 「いや、パーソナライズする前からだから。もうなんかさ、映画でどういうもんなの?映画とかドラマ。超かぐや姫見たよ。あれはね、グロっかなか。今日はコンフィデンスマンを見たよ。オラクルデイズ。これも行ったことある?」 現実とゲーム、配信とプライベート。全てが混濁し、境界線が曖昧になっていく。 **第三章:ゲーミング電柱の姫** 「あれだ。敵がんえ?シーハン一番強そう。いや、でも相手が勝てるかもわかんない。振るようにさっき言ったんだけど、なんか目の前の人が、なんか隣のことと言い合い出して、とてもあんまりだと。プレイはうまかったけど。距離感がうまかった。うましてたんだけど。私が、なんだっけな。4、5マーくらいで、相手が3、4マーくらいで、ちょっと2にされたから。困るなーって思って、一旦3で返そうかなーって、この2で止めときて、うまいなーと」 ゲームは、対戦相手との心理戦でもある。カンパニー戻す。相手に入りするだけ。相手の間合いがうまかった。今前に行かにくいな。デジセンションもやってみたか。それもうまいこと避けられた。デジセンションの中身4なんだのかな。振るように教えて。 「あーうん。あわりにどくね。うーんうんうん。意味だな。おやさんに怒られる。うんうんうん。メンヘラだ。やめて。怖い怖い怖い。怖いね」 チャットのコメントは、センの心の奥底を揺さぶ